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「疑わしきは被告人の利益に」の意味

2017/06/30

弁護士の神尾です。

先日、担当していた裁判員裁判で、一部無罪判決が出ました。

 

判決を聞いていて、「疑わしきは被告人の利益に」という大原則を考えさせられました。

 

「疑わしきは被告人の利益に」(「疑わしきは罰せず」ともいいます)とは、検察官が立証に失敗した場合、被告人に有利に認定する(例えば有罪の立証ができなければ無罪にする)というものです。

これは、人類の叡智と言われています。

古くは魔女裁判のように、「疑わしい」だけで無実の人が罪に問われてきました。そうした歴史から学んだ、冤罪から身を守るための大事な原則です。

 

判決は、この原則に忠実なものでした。

同じ裁判は二度できないので、これが裁判員裁判だから無罪になったのか、裁判官だけの裁判だったら結果が違ったのか、誰にも分かりません。

 

ただ、少なくとも今回の裁判員裁判では、「疑わしきは被告人の利益に」という原則が目に見える形で実現されていると感じました。また、裁判員の中で意見が活発に交わされたのではないかとも感じました。

裁判員裁判の存在意義について議論されていますが、裁判員裁判を二桁担当してきた弁護士からみると、やはり必要な制度だろうと思います(改善の余地もありますが、それは別稿で)。

 

法律上、私はもう一生裁判員になることができず、一度はやってみたかったなあと思います(弁護士は辞めても裁判員になれないのです)。

「てるみくらぶ」の破産、そして弁済申請とは?お金は帰ってくるの?

2017/03/30

宴会が続いてお金を使い過ぎ、「今月このまま行ったら破産だよ」と冗談を言ったことはあると思います。

ただ、実際に破産しようとすると、やれ財産目録を作ったり、やれ債権者一覧を作ったりと、なかなか骨が折れます。そして、お金を貸していた人も返してもらえなくなり、みんなに迷惑をかけるときもあります。

 

今回問題になっているのは「てるみくらぶ」。旅行業に限らず、一般消費者向けに大々的にやっている企業が潰れると影響が非常に大きい場合があります。

破産申立てももちろんしますが、裁判所から選ばれて管財人となって破産者の財産状況の調査や債権者への対応もします。

ついついこうしたニュースをみると、管財人だったらこうするよな、債権者にどう説明しようかな、という視点でみてしまいます。

 

そして、みなさんが最も心配だろうと思うのは、「自分が払った旅行代金は返ってくるのか」ということだろうと思います。

 

管財人的には、破産者の持っている財産をお金に換え、回収できるものは回収し、債権者に配当することを考えます。

ただ、換価や回収はすぐにできませんし、配当率は数%に過ぎない(むしろ配当なしの方が圧倒的に多い)という残念な事情があります。

 

そこで、他の手段で確保できないかを検討します。

 

旅行業というように、「業」が付くものはだいたい「業法」という、所管する法律があります。

今回だと旅行業法ですね。

そして、業法があるものには、これまた「弁済業務保証金」という制度があります。

これは、要は、「何かあったらそこから払うよう、あらかじめ納めておくお金」です。

今回がその「何かあったら」の場合に当たりますので、お金を取り戻したいという方々は、この保証金から弁済を受けられる可能性がある、ということになります。

 

そして、この保証金は(供託とか難しい話もありますが要は)業界団体である「日本旅行業協会」が管理していますので、この協会に申し出ることになります(ニュースなどでは「弁済申請」と表現していますね)。

これまたややこしいので省略しますが、一定期間中に申し出があり確かに支払うべき人だとなったら、保証金を山分けします。

 

ただ、今回は明らかに申請される額がとんでもないことになりそうなので、満額分配されることはまずなく、一部が返ってくることになるでしょう。

 

とりあえず、協会にアクセスするのをおススメします。

 

なお、この弁済業務保証金は、先に述べたとおり様々な業種で用意されていますので、「取引先が倒産した」「払ったお金が返ってこない」という場合には、調べてみるとよいでしょう。

官報による公告だったりするので、非常に分かりにくいです。相談いただければ対応もします。

 

最後は泣き寝入りの部分も出てきそうですが、いくらかでも被害が回復することを祈念しています。

弁護士の交通事故バイブル赤本は、今年から桃本です

2017/03/23

ご無沙汰しております。年度末は裁判所等からの「宿題」に明け暮れ、多忙を極めつつあります(実際は確定申告の影響が多分に。自業自得です)。

 

さて、弁護士の交通事故処理に欠かせないバイブルが、「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」なる本、通称「赤本」です。

その名の由来は、何のひねりもありません。見た目が真っ赤だからです。

大学受験でも使わなかった赤本を、社会人になってから使うことになろうとは。

 

私は発行日に受け取れるよう手配しており、今年も届いたその日にこれを見て起案したり説明したりしていました。

 

ただ、今年からその「赤さ」が若干影を潜め(?)、ピンクになっています。

「ピンク本」というのは何となく危険な香りがしてしまうので、勝手に「桃本」と呼んでいます。

 

交通事故はおそらくなくならないでしょう。

せめて被害に遭われた方が迅速公平に被害回復できるよう、今日も桃本を活用中です。

ニュース番組に出演してきました.

2016/12/15

12日、インターネットテレビ局AbemaTVのニュース番組、

「大人の事情をスルーしまくる」ことで有名なAbemaPrimeの冒頭20分ほど出演いたしました。

 

知らなったのですが、スタジオ自体はテレビ朝日内にあるのですね。

六本木はライトアップされていて、とても奇麗でした。

 

テーマが嘱託殺人ということで、法律と感情と人生が入り混じる、難しいテーマでした。

 

メインはウーマンラッシュアワーの村本さん。

村本さんはとても真面目な方で、鋭い質問が多く、こちらも回答しながら考えさせられる場面もありました。

(問答はほぼぶっつけです)

 

生放送は初めてだったので緊張するかと思いきや、出演者の皆様のトークに聞き入ったり質問に対して頭をフル回転させたりしているうち、

緊張する暇もなくあっという間に時間となりました。

 

https://abematimes.com/posts/1772973?categoryIds=70273

まとめ記事と著作権(当事務所の方針)

2016/12/14

社会問題化している「まとめサイト(まとめ記事)」。

必要な情報がコンパクトにまとまっているというのは、時に有用だろうと思います。

私も、「冠婚葬祭のマナー」など、日常のちょっとしたことにとっかかりとして利用することがあります。

 

昨今、大手サイトで、こうしたまとめサイト(記事)を閉鎖するところが増えてきました。

信頼性や正確性の問題ももちろんですが、そこには法的な問題はないのでしょうか。

 

ぱっと思いつくのが著作権法に反するか否かです。

著作物であっても適切な「引用」に当たれば問題はないのですが、まとめサイトの「引用」の仕方は著作権法上認められる「引用」に当たらない可能性があると考えています。

 

著作権法上の「引用」については、いくつかの条件がありますが、近年は著作権者に対する影響の程度等をみていく傾向にあります。

現在のまとめサイトの報道状況をみるに、著作権者として「引用」されることを望まない(引用されることを良しとしない)人が増えているのではないでしょうか。

 

他の要素等もみていくと、適切な「引用」に当たるケースはそれほど多くないと思います。

そうであるなら、原則に戻って、著作権者に一言あるべきと考えています

(白か黒かはっきりしないのなら、コンプライアンス上安全な方を採るのは法律家としては当然の発想です)。

 

私のインタビュー記事等がまとめられているケースがあり、これらは私の著作物ではなさそうなので別に何も言うつもりもありませんが、

当事務所HPやブログからの転載については、原則として一言お願いいたします

(HPに問合せフォームがあるので、そこに一言お書きください)。

 

一言があれば、前述のとおり誰かにとって有用だろうと思いますので、原則として転載を許可しますが、

無断転載の場合は削除等の方法を採らせていただくことがあるだろうと思います。

 

私個人としては、情報を発信することはすなわち利用していただくことだと考えていますので、それほどうるさく言うつもりはありません。

ただ、内容が法律問題という生活に直結しかねない問題であるだけに、私の手から離れた利用(特に私の意図していない形での利用)には、慎重にみていかないといけないと思っています。

ニホンゴの難しさ~弁護士からみて 第1回「させていただきます」

2016/09/26

弁護士は、日々日本語に悪戦苦闘しています。その使う1行1文字で裁判の勝敗が決まると言っても、、、これはカゴンでした。

ただ、行政文書や「それなりに」正確な文書を日々見書きする立場として、語法やニュアンスを含め、気を遣っています(このブログ等のように非公式なときには全く気にしていませんが、それはご容赦を)。

 

弁護士として日常的にあるのが、電話対応。会社さんに電話をすると、

「本日、社長はお休みさせていただいております」

と対応されることもしばしば(たぶん居留守です)。

 

でも、この「させていただきます」には、なんだか違和感あり。

 

調べてみると、①相手方等の許可を受けて、②そのことで恩恵を受ける場合などに使うとされています(文化庁の答申)。

私は別に社長に休みを許可したわけではないので、「させていただいております」と言われてもねえ、という印象です。

ただ、悪い印象はありません。むしろ、電話口で「僕なら休みにしておいて」という声が聞こえる方が、、、

 

もっとも、気にする方は気にするという噂ですので、過剰な敬語にはご注意を。

『裁判員への「声かけ」防止策、弁護士「裁判員裁判対象からの除外決定、柔軟な運用を」』に関する取材を受けました。

2016/07/26

神尾弁護士が,『裁判員への「声かけ」防止策、弁護士「裁判員裁判対象からの除外決定、柔軟な運用を」』に関する取材を受けました。

https://www.bengo4.com/c_1009/c_1208/n_4916/

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160725-00004916-bengocom-soci

『弟と祖母殺害「心神喪失」理由に逆転無罪、弁護側の主張はなぜ認められた?』に関する取材を受けました。

2016/05/23

神尾弁護士が,『弟と祖母殺害「心神喪失」理由に逆転無罪、弁護側の主張はなぜ認められた?』に関する取材を受けました。

https://www.bengo4.com/c_1009/c_1208/n_4658/

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160520-00004658-bengocom-soci

朝霞女子中学生誘拐事件について思うこと~被害者側弁護士からみて

2016/04/01

弁護士の神尾です。

 

朝霞の中学生が保護されたというニュースに接しました。

県内にはポスターも貼られていましたし、朝霞署に行った際にボランティアの方々がチラシを配っていたのを見たこともありました。保護されて本当に良かったと思います。

 

私は、被害者側の代理人として裁判員裁判にも参加したことがありますし、ある程度被害者側の事件を担当してきたつもりです。

そんな中で、私が思うのは、「被害者にとって大切なのは、そっとしておいてもらうこと」ということです。

 

もし何かあれば、被害者の側から発信すればよいことです。権利を行使することもあるでしょう、会見を開くこともあるでしょう。

ただ、そういった「発信」行為を第三者が求めること、憶測で追いつめて「発信」せざるを得ないような状態に置くことからは、何も生みません。傷を深くするだけです。

 

普段「犯罪者ばかり優遇されていて被害者はいつも蚊帳の外」とお考えであるならば、今こそあえて「蚊帳の外」に置くことが大事なのではないかと思うのです。

 

私は今回の事件を担当しているわけではないので、以上のようなことも「憶測」に過ぎません。ただ、少なくとも「そっとしておくこと」の重要性は理解しているつもりです。

『プロ野球「声出し」金銭授受――「賭博罪にあたる可能性がある」弁護士が違法性を検証』に関する取材を受けました。

2016/03/22

神尾弁護士が,『プロ野球「声出し」金銭授受――「賭博罪にあたる可能性がある」弁護士が違法性を検証』に関する取材を受けました。

 

https://www.bengo4.com/c_1009/n_4435/

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160319-00004435-bengocom-soci

 

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